Iray は Nvidia の販促用ソフトという一面を持っているので、高速化するのは最新のグラボを複数枚差すことによって簡単に実現することができる。
とは言え、そんなお金持ちばかりではないので、ピックアップして機能を理解し、自分にあった環境を作ってしまおうという趣旨の記事、その第1回目。
Iray とはなにか?
PBR(Physically Based Rendering)を行うレンダラーであり、日本語では物理ベースレンダリング、物理ベースレンダラーと呼ばれたりする。まぁ、簡単に言えば、現実的な画像を得ることを目的としているよ、というものである。
根本的には昔からあるレイトレーサーである。
レイトレイサーとは簡単に言えば光を追っかけてどう見えるか?という計算をするもので、反射して、反射して、と…追っかけていく。現実世界では文字通り光速で反射が行われ、我々の目に届いた光によってどんな形か?色は?ということになる。それをシミュレートしている(あくまでも簡単な説明にしている)。
またPBRは論理的に無限に計算できるので、終了とは”ここまで計算する”という制限をかけることで終了となる。
以上2点が基本的なキモとなる。
Max Path Length
Optimization > Max Path Length は反復に関する設定項目。
ここの画像はファイル変換を行っただけで、最低限のポストワークも行っていない。
デフォルト値(-1)。内容は無制限という意味。
こことの比較ということになる。
1を設定。真っ暗。
2を設定。色はついたが、川が重油のようだ。
3を設定。川面がそれなりになった。
4を設定。川面に写った木々もきれいになった。
4と-1(無制限)を合成したもの。どこから4で-1なのかわかるだろうか?
続いて、こんなシーンを用意した。デフォルト値(-1)。
4を設定。
透明なもの(グラス)の中のビールはまだ駄目だ。
6を設定。泡は良くなった。
8を設定。
透明なもの(グラス)に入った透明なもの(ビール)も、これで大丈夫だ。
次にコップの中に水と、氷を入れたシーンを用意した。デフォルト値(-1)。
8を設定。
透明なもの(グラス)の中の透明なもの(水)の中の透明なもの(氷)はまだ駄目だ。
10を設定。
氷は透明になったが、氷とグラスが接触する部分がもう少し。
12を設定。
これで良いだろう。
結論
Max Path Length は 8~12 を設定すれば、問題ないレベルと言えるだろう。
後はこだわりの部分。自分の表現にとって十分かどうかの判断になる。特にこだわりがなければ生産性向上になると思われる。
ロースペックでの Iray に役立つ情報一覧